遠隔操作でエンジン停止!?自社ローンにおける「利用制限装置」とは

遠隔操作でエンジン停止!?自社ローンにおける「利用制限装置」とは

通常、カーローンを利用して中古車を購入した場合、納車後は好きなタイミングで、好きなように使用することができます。

自社ローンの場合も基本的には同じですが、万が一ローンの未払いや延滞があったときの保全として、様々な対策が行われています。

その中のひとつに、遠隔操作でエンジンを停止させることができるというものがあります。

「エンジン停止」と聞くと驚くかもしれませんが、これは「利用制限措置」と言われるもののひとつで、銀行が行う通常のローンでも利用されています。

ここでは、支払いが遅延した際の「利用制限措置」とはどのようなものなのか、どんなことが起きるのかなど、知っておくと役立つ情報をご紹介します!

>>>自社ローンを延滞するとどうなる?取り立ては本当にあるの?

遠隔でエンジンを停止できる「MCCS」


銀行などの金融機関を介してローンを組む場合、これまでの支払い履歴などの信用情報や、年収などによって審査が行われます。

過去に支払いの延滞などがあるとブラックリストに載ってしまい、そうすると数年間はローンが組めなくなってしまいます。

意外にも「自分は支払いの延滞をしていない」と無自覚のままブラックリストに載ってしまっている人は多く、収入はあるのにローンが組めないという人はおよそ200万人いると言われています。

そんな人たちでもローンが組めるようにと開発されたのがMCCS(エンジン遠隔通信制御機器)で、ローンの支払いが滞った場合には遠隔操作でエンジンを停止させることで、支払いを促すという仕組みです。

主に銀行でのローン審査の条件として採用されていましたが、近年では自社ローンでも、支払いの滞納に対する対策として採用されています。

MCCSはいつ発動する?

MCCSは車両に取り付けられており、万が一ローンの支払いが滞った場合にすぐに発動します。

自社ローンの場合、何度も支払いの延滞が続くと車両の引き上げが行われますが、引き上げられるまで未払いのまま乗り続けることができていました。

その点MCCSは支払いの延滞が起こったらすぐに対応することができ、支払いの確認ができればすぐに解除もできるため、中古車販売店側が不利益を被る心配がありません。

もちろんGPSで位置管理も可能なため、走行中にいきなり停まるということはありません。

取り外しはできる?

基本的には自分で取り外しはできません。

GPSで位置情報が確認できると言っても、もちろんいつも居場所を見られているわけではありません。

支払いの延滞がなければ特に何も害はないため、無理に取り外すのはやめましょう。

自社ローン完済に車の名義変更を行いますが、その際にMCCSも取り外してもらえるので安心してください。

MCCSのメリット


自社ローンでの中古車販売において、MCCSを採用しているお店は多くはありません。

ただMCCSを採用しているところでは、万一の支払いの延滞への対策がばっちりなので、比較的ローンの審査に通りやすいといったメリットがあります。

自社ローンは中古車販売店が独自の審査基準で行うものなので、お店によって審査に通るかどうかの結果は変わります。

例えばA社の自社ローン審査に落ちた場合でも、MCCSを採用しているB社の審査には通った、ということも有り得ます。

頭金の有無や支払い回数といった条件面でも待遇がいい傾向にあるため、自社ローン審査に自信がないという人でもいい条件で利用できるかもしれません。

MCCSのデメリット


MCCSのデメリットは、遠隔で操作が可能なので、自社ローンの支払い期日を過ぎたら即時にエンジンを停止される可能性があることです。

支払いが確認できればエンジンはかかるようになりますが、うっかり支払い日を忘れていた、なんてことには十分気を付けましょう。

また、MCCSを車両に取り付けるには費用がかかりますが、その分の金額が車両代に上乗せされているケースもあります。

相場よりも価格が高くなっている可能性があるので、注意しましょう。

MCCSは怖いものではない!


ここまでに説明した通り、MCCSによってエンジン停止の可能性はありますが、支払いの延滞さえ気を付けていれば怖いものではありません。

むしろ「支払いが滞ったら車が使えなくなる」と思っていたほうが、支払い日を忘れないための予防にもなります。

お金のやりとりをしている以上、信頼関係は大切です。しっかりと自社ローンを完済すればイメージもいいですし、次回車を乗り替えたいといった際に、また協力をしてくれるでしょう。

支払いの延滞には気を付けて、カーライフを楽しみましょう!